利益確定とは、ポジションが含み益の状態で手仕舞いすることです。
略して”利確”と呼ぶこともあります。
手数料を入れて、+1円でも利益ならば利益確定と言えます。
例1.株価300円で1,000株買ったA銘柄が、株価320円に値上がりした。含み益20,000円、手数料往復500円。
例1の状態で手仕舞うと19,500円の利益確定となります。
《空売り》を仕掛けた場合も見てみましょう。
例2.株価800円で1,000株売ったB銘柄が、株価750円に値下がりした。含み益50,000円、手数料往復500円。
例2の状態で手仕舞うと49,500円の利益確定となります。
《空売り》の場合、株価が値下がりすると利益が生じるわけです。
ちなみに、利益確定にならないパターンは二通りあります。
- 含み損の場合
- 含み益でも含み損でもない場合
含み損の場合、すぐに手仕舞っても利益確定とはなりません。
損失を確定することになります。
例3.株価300円で1,000株買ったA銘柄が、株価280円に値下がりした。含み損20,000円、手数料往復500円。
例3の状態で手仕舞うと20,500円の損失確定となります。
損失を確定することを《損切り》といいます。
誰しも損は嫌ですが、株式投資をやっている以上避けては通れない道です。
この《損切り》をマスターすることが上達への第一歩となります。
コツは、小さな《損切り》を心がけることです。
小さな《損切り》を繰り返すと負けてばかりに感じますが、大きな《損切り》は精神的に辛くなります。
含み損がどんどん膨らんでいくと、《損切り》できなくなってしまうかもしれません。
株式投資で退場する一番の原因は、《塩漬け》といっても過言ではありません。
《塩漬け》を抱えると資金が凍結し、良い銘柄をみつけても投資できなくなってしまいます。
機会損失につながるわけです。
ですから、相場で勝ち残りたいならタイトな《損切り》が要求されます。
最初は難しいと感じられるかもしれませんが、少しずつ慣れていきましょう。
続いて、含み益でも含み損でもない場合のお話です。
すぐに手仕舞うと、差し引きゼロになります。
例4.株価300円で1,000株買ったA銘柄が、株価300円のまま。(わかりやすいように、手数料は0円とします)
例4の状態で手仕舞うと±0円です。
自分の買値で売ることを「同値撤退」といいます。
《スキャルピング》を行う際、この同値撤退は非常に大切です。
《スキャルピング》は細かな値幅をコツコツと取る投資法ですから、大きな損失は避けねばなりません。
株価が思惑と違う動きをしたら、たとえ損切りラインに到達していなくても手仕舞った方が良いからです。
これは《時間切れ手仕舞い》にも通じます。
《時間切れ手仕舞い》とは、利益確定ラインにも損切りラインにもかからなかった場合の手仕舞いです。
例5.A銘柄を株価300円で1,000株買った。利益確定ラインは320円、損切りラインは280円である。しかし、一週間経過してどちらにもかからなかった。
例5の状態で手仕舞いするのが《時間切れ手仕舞い》です。
利益確定ラインと損切りラインの幅にもよりますが、同値近辺の損益が多くなります。
《時間切れ手仕舞い》にかかったということは、その銘柄はトレンドを失っているはずです。
こうした場合は、持ち続けるよりも一度手仕舞いを決行し、再度トレンドが発生してから投資した方が効率良く資金をまわせます。
【終わりに】
仕掛け方について書いてある本は多いですが、手仕舞いについて書いてある本はほとんどありません。
自分で全て決めなければならないわけです。
どうすれば良いかわからないという方は、建て値±5%などのように、固定幅でやると良いでしょう。
テクニカルラインで手仕舞いするよりも簡単です。
売買に慣れてきたら、天井圏と底値圏を意識して手仕舞いすることをおすすめします。