逆張りとは主に相場が悪いときに買って、相場が良いときに売ることを指します。
トレンドに逆らって売買するということになります。
《暴落相場》や《パニック相場》時の逆張りでは約定率や含み損が拡大しやすいため、リスクが大きくなり対策が必須となる手法でもあります。
また相場に限らず、注文方法によっても《順張り》になるか逆張りになるかが変わってきます。
どういうことかといいますと、《逆指値》の場合ここまで株価が上昇したら仕掛けとなるわけですから、短期的にはトレンドにのった《順張り》という見方もできます。
相場と注文方法以外には仕掛けタイミングでも判別でき、株価が下落している真っ最中に新規買いを行うのは真の逆張りといえそうですが、株価の下落が止まり反転が開始されてから買うのは短期的な《順張り》といえそうです。
以上のことからトレンドに逆らって株価や相場の転換を狙った戦術が逆張りといえるでしょう。
また時間軸によっても解釈が異なってきます。
例えば月足が上昇トレンドであっても日足が下降トレンドであれば、そのトレーダーの投資スタンスによって《順張り》であるか逆張りであるか意見がかわってきそうです。
よくある勘違いでは高値圏で新規買いを仕掛ければ順張り、安値圏で新規買いを仕掛ければ逆張りというものがありますが、高値圏であっても株価が調整しているポイントを狙った《押し目買い》は逆張りといえそうです。
まとめ
- 逆張りとは主に相場が悪いときに買って、相場が良い時に売ること。
- 逆張りは必然的にトレンドに逆らった売買となる。
- 逆張りは《順張り》に比べてリスクが高い。
- 逆張りであるか順張りであるか判別する方法には相場や注文方法、仕掛けタイミングや時間軸がある。
- 逆張りの解釈はそのトレーダーの投資スタンスによっても変わるが、共通する点は株価や相場の転換点を狙った手法であるということ。
逆張りの種類
一口に逆張りといっても”浅め”と”深め”の2種類があり、それぞれの特性として”浅め”は約定率が高い代わりに期待値が低くなり、”深め”は約定率が低い代わりに期待値が高くなる傾向があります。
例.15日移動平均線の乖離率が-10%以上になった場合に新規買いを仕掛けた場合。
“浅め”の逆張りは総取引回数が32345回に上り、期待値は1.21%に留まりました。
例.15日移動平均線の乖離率が-20%以上になった場合に新規買いを仕掛けた場合。
一方で”深め”の逆張りは総取引回数が5928回に留まり、期待値は3.12%にも上りました。
これらの結果を踏まえますと”深め”の逆張りの方がたくさん利益が取れることから、”浅め”の逆張りは一見すると仕掛ける必要が無いように思えますが、”深め”の逆張りだけですと約定しにくく、年間を通してほとんど取引できないという状態になってしまいます。
また”深め”の逆張りは平均利益が高い代わりに平均損失も高くなります。
要するにリスクも高くなるということです。
逆張りを行う際は”浅め”と”深め”の特性を知ったうえでそれぞれ使い分けていきたいものです。
順張りとの違い
《順張り》はトレンドに沿って売買を行いますが、逆張りはトレンドに逆らって売買を行います。
そのため《順張り》は仕掛け直後に含み益が出やすいですが、逆張りの仕掛け直後は含み損を抱えることが多くなります。
ですから逆張りは含み益が出るまでの忍耐力と株価が下げ止まらなかった際の素早い損切りの判断力が求められるといっても過言ではないでしょう。
逆張りに適した相場判定
新規買い仕掛けを逆張りで仕掛ける際、どんな相場が適しているのでしょうか。
逆張りは主に株価が大きく下げた局面を狙う手法です。
そのため《暴落相場》では逆張りが活躍できるチャンスといえそうです。
《暴落相場》は上場銘柄大半の株価が大幅かつ急激に下落した状態を指します。
全面安と呼ばれるような状態を指していますので、テクニカル指標の《騰落レシオ》を使って騰落数を調べると《暴落相場》であったか判断することができます。
また《暴落相場》の予兆としては「株価のボラティリティが大きくなり始めた」「普段使用している逆張り手法で約定率が急上昇した」などがあります。
そのようなときは逆張りの売買ルールを見直すことで一攫千金も夢ではないでしょう。
しかし逆張りはリスクも高いため、仕掛ける際はリスクの分散を考えたいものです。
逆張りを行ううえでの注意点やリスク管理
逆張りは成功すると大きな利益を獲得できますが、一方で損失も拡大しやすい傾向にあります。
つまりハイリスク・ハイリターンな手法なわけです。
しかしリスクを抑える方法はあります。
まず逆張りはトレンドに逆らった手法ゆえに仕掛けポイントで株価が下げ止まらない可能性は十分に考えられます。
ですから1度に多量のロットを仕掛けてしまうと大損の恐れがあります。
1度に買わず、数回に分けて買えばいきなり大損という状態を回避することができるのです。
これは《ナンピン》とは違って計画的な買い増しですから1つの投資法といえるでしょう。
仕掛けタイミングを分散する以外には1日の仕掛け銘柄数と1日の仕掛け金額を抑えるという方法があります。
特に《暴落相場》においては全面安のような状態となるため、普段使用している逆張り手法では仕掛け対象となる銘柄が膨大な数になるかと思います。
そのようなときに仕掛け対象の全銘柄に資金を投入していては極めて危険です。
逆張りの売買ルールを見直したり、仕掛け対象の銘柄に優先順をつけると良さそうです。
特性のまとめ
・逆張りには”浅め”と”深め”の2種類がある。
・逆張りはトレンドに逆らった売買になるため、仕掛け直後は含み損になりやすい。
・《暴落相場》では逆張りが活躍できる。
・逆張りはハイリスク・ハイリターンな手法であり、リスク管理が必要である。