■連結決算とは
連結決算とは、親会社だけでなく、その会社の子会社や関連会社を含めた企業グループ全体を一つの企業のように決算する方法のことを指します。この連結決算では、親会社が50%以上の株式を保有しているいわゆる子会社や、親会社が株式の20%~50%を保有している関連会社が含まれ、その株式の保有比率に応じた業績が親会社の業績とひとくくりにされて決算発表されることになります。
■連結決算が必要な理由
こうした連結が必要とされるのは、「親会社が自分たちの業績悪化を隠すために子会社を隠れ蓑にする」ということを防ぎ、より正確な企業の状態を外部の人間が把握できるようにするためです。
ここで一度、連結決算を作る必要のない場合を考えてみましょう。例えば、ネット通販事業の業績が急激に悪化し、大幅赤字を計上しそうな企業があるとします。この企業はこのまま決算発表をすると、ネット通販事業の赤字のせいで企業全体の収益性が低下してしまい、それによって株価の低下などが生じることになってしまいます。そこで、この企業は自分たちが抱える子会社にこのネット通販事業を譲渡するという形だけをとることで、自分たちの決算にネット通販事業の赤字が反映されないようにすることができてしまいます。このようにして、企業グループとしては何らネット通販事業の問題は解決していないにもかかわらず、一見親会社の業績は保たれたままのように見えてしまうのです。
このように、連結決算がない場合、この具体例を出したように、赤字部門などを子会社に渡したり、また他にも親会社が子会社への販売を行うことで業績を水増ししたりすることが可能になってしまいます。その結果、外部の人にとっては親会社の業績があたかも好調かのように見せることが出来てしまいます。しかしながら、連結決算の制度が存在している場合、たとえネット通販事業を子会社に譲渡したとしても、結局は親会社にその子会社の赤字分が計上されることになり、また親会社が子会社への販売を増やしたとしても、その分子会社の仕入れコストが増えることになるため、グループ全体としての業績を高めることにはなりません。そのため、連結決算を行うことで、こうした企業のごまかしを防ぎ、外部の投資家などが企業の状態をより正確に把握することができるようになります。