■スリッページとは
スリッページとは、注文した価格よりも不利な価格で《約定》することです。
価格差やズレを意味します。
スリッページが発生する原因はいろいろとあり、相場の急激な変動、システムの問題、通信回線の不具合などが挙げられます。
■スリッページの例
特に《成行注文》は、スリッページが発生しやすいです。
《成行注文》は「いくらでもよい」という注文方法なため、「予想していた約定価格と全然違った」なんてことがよくあります。
例1.最良売り気配が1,000円のときに、買いの成行注文を入れた
例1の場合、1,000円で必ずしも約定するかはわかりません。
1,000円以上で約定するときもあれば、1,000円以下で約定することもあるでしょう。
見ている株価情報と発注までの時間に差があるのです。
株価情報が1秒毎に更新されるとして、更新0.2秒前に大量の注文が入るといえばイメージしやすいでしょうか。
また《成行注文》に限らず、《逆指値注文》でもスリッページは起こりうる現象です。
例2.1,000円に買いの逆指値注文を入れた
例2の場合、1,000円手前で買いが殺到すれば、1,010円辺りで約定することも考えられます。
このように、注文方法によってはスリッページが発生することも十分に考慮しておかねばならないでしょう。
■スリッページを抑えるには
《指値注文》がおすすめです。
《指値注文》であれば、指定した価格よりも不利な価格で約定することはありません。
「何円以下になったら買い(何円以上になったら売り)」とする注文方法だからです。
例3.1,000円に買いの指値注文を入れた
例3の場合、1,000円以下で約定します。
つまり、990円など有利な価格で約定することはあっても、1,001円以上の不利な価格で約定することはないわけです。
■順張りは不利!?
《逆指値注文》は「何円以上になったら買い(何円以下になったら売り)」する注文方法です。
必然的に《順張り》戦略となります。
《ザラ場》を見れない忙しい方にとっては重宝する注文でしょう。
しかし、できれば《逆指値注文》は使いたくないのです。
その理由はやはりスリッページにあります。
スリッページがどの程度の大きさになるかは、そのときにならなければわかりませんが、仮に1%としてみましょう。
例4.1,000円に買いの逆指値注文を入れたが、1,010円で約定した
10÷1,000×100=1%
株価1,000円に対して、1%のスリッページは10円となります。
さらに、この銘柄を500株買ったとしましょう。
10×500=5,000円
この時点で5,000円の利益を逃しています。
もし、この売買を1日3回繰り返したらどうなるでしょうか。
5,000×3=15,000円
なんと1日で15,000円もの利益を逃していることになります。
これは大きいでしょう。
《指値注文》を入れて1,000円で《約定》した場合と比べて大違いです。
《順張り》で仕掛けるときでも、なるべく《指値注文》でいきたいものです。