こんなときどうする?株取引にかかる税金の落とし穴

税金は決められた日に、決められた金額を納めなくてはいけません。

そのため、株取引においても、税金が発生するケースと対処法について、しっかり学んでおく必要があります。

ここでは、いわゆる「ありがち」なミスを3つ紹介し、それぞれの対処法について考えてみましょう。

■ミスその1・手元資金がない

相続税の物納を除き、税金は現金で納めるのが基本です。それでは、このようなケースが起こった場合、どうすればいいのでしょうか?

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源泉徴収なしの口座(特定口座・一般口座)を使って株取引をしていた。ある年の1月1日から12月31日まで、株取引で多額の利益を挙げたが、年が明けたときに株価が暴落してしまい、大きな損失を被った。手元資金が不足してしまい、納税資金をどうするか困っている。

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対処方法を考えました。まずは、手元の株を売却したり、貯金を崩すなどして納税資金を少しでも用意しましょう。用意できた金額で足りるなら、問題はありません。

問題は、足りなかった場合のことです。この時、延納を利用するのも考えましょう。

これは、期限までに所得税が納付できない場合に、所得税の半分以上を期限内(=3月15日)までに納め、残額をその年の5月31日に納めるという制度です。確定申告書を作成する際、延納届出蘭に所定の事項を記入した上で、提出すれば完了します。

なお、この制度を使った場合でも、利子税と言って、期限を延ばしてもらった分の利子を払わなくてはいけません。「延納する所得税額(1万円未満切り捨て)×利子税の割合×延納日数÷365日=利子税の金額(100円未満切り捨て)」という式で計算します。

また、3月15日には間に合わないけど、2週間程度の猶予があれば納税資金が用意できるということであれば、振替納税を使うのも手段の一つです。税務署、銀行などの金融機関に、口座振替依頼書を提出すれば手続が完了します。口座振替依頼諸は税務署でもらうか、国税庁のホームページからダウンロードして手にいれましょう。

なお、口座振替日に残高不足で引き落とせなかった場合は、延滞税がかかることにもご注意ください。

参照
No.9201 振替納税のお勧め|国税のお知らせ|国税庁

■ミスその2・損益通算ができる金融商品の範囲とは?

株取引においては、損益通算といって、その年に生じた利益と損失を相殺した上で税金を算定できる制度があります。同様のシステムがFXや先物取引においても採用されていますが、注意が必要です。

一言でいえば、損益通算できる組み合わせが決まっているため、外れた場合は損益通算ができません。よく話題になるのが株とFXの組み合わせですが、株取引で得た利益は譲渡所得に、EXで得た利益は雑所得に分類されるため、性質が違う所得の損益通算ができない、というのがその理由です。

以下は、損益通算できる金融商品の組み合わせです。

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■株と損益通算できる金融商品

・株

・投資信託

・ETF

・J-REIT

■FX(店頭FX)と損益通算できる金融商品

・CFD

・取引所FX

・くりっく株365

・株価指数先物(日経225先物、TOPIX先物など)

・商品先物取引(金・プラチナ・原油・トウモロコシなど)

・カバーワラント

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投資初心者のうちは、損益通算できる金融商品を組み合わせながら感覚を身に着けていくのをおすすめします。

■ミスその3・NISAは確かに非課税だけど…

NISA(少額投資非課税制度)は、一定の枠内での投資なら、配当金や譲渡益が非課税になるというのがセールスポイントの制度です。

しかし、非課税にするためには、条件があることをご存知でしょうか?

配当金受取形式には次の3つがありますが、このうち、株式数比例配分方式を選ばないと、NISA口座を通じた取引であっても課税されてしまいます。

以下は、3つの配当金受取方式です。

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■課税(20.315%源泉徴収)

・配当金領収証方式

ゆうちょ銀行等及び郵便局に「配当金領収証」を持ち込み受け取る方式

・登録配当金受領口座方式・個別銘柄指定方式

指定の銀行口座で受け取る方式

■非課税

・株式数比例配分方式

証券会社で配当金等を受け取る方式

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他の注意点についても触れておきましょう。

NISA口座以外の口座(特定口座・一般口座)を開設していて、そこで保有する上場株式等の譲渡損失との損益通算や繰越控除を行いたい場合は、配当金領収証方式や登録配当金受領口座方式を使う必要があります。

また、いったん株式数比例配分方式を選択した場合は、どこの証券会社の特定口座・一般口座で保有しているすべての上場株式等の配当金についても、この方式に合わせなくてはいけません。

さらに、株式数比例配分方式で上場株式の配当金等を受け取りたい場合は、保有銘柄の配当基準日までに手続きを完了させる必要があります。証券会社によって、手続きにかかる日数はまちまちなため、早めに口座を保有している証券会社に連絡しましょう。

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