株主優待を受け取るまでの流れ

■株主優待は必ずもらえるわけではない

株主優待は全ての企業でもらえるわけではありません。

また株主優待をもらうことができる企業であっても株主優待をもらうための条件を設定している企業がほとんどです。

そのため、ここでは、株主優待をもらう際にチェックすべき条件と、株主優待をもらうまでの流れについて簡単に説明します。

■ステップ1:株主優待の内容を確認する

株主優待をもらうためにまずすべきことは、それぞれの企業がどんな株主優待を提供しているのかを調べることです。

株主優待を調べる際には、証券会社のHPから探すのが便利でしょう。

証券会社のHPには株主優待を紹介するページがあり、そこで人気の株主優待や優待内容、予算に応じて様々な企業の株主優待が分類されています。

そのため、自分の好みや投資金額に合わせて株主優待を探すことができます。

■ステップ2:株主優待の条件をチェック

お目当ての株主優待を見つけることができれば、次にすべきことは株主優待を受けるための条件を確認することです。

企業によって株主優待をもらえる条件が異なっているのでここも絶対に確認しておく必要があります。

企業が株主優待を配る際に設けている条件は主に2つあり、一つ目の条件は株式の保有数です。

例えば、100株以上の株を保有していれば株主優待を受け取ることができる企業もあれば、1万株を保有していなければ株主優待を受け取ることができない企業もあります。

また、同じ企業でも保有する株式数の違いによって株主優待の内容が異なってくることにも注意が必要です。

例えば、100~199株を保有していれば1000円分の商品券、200株~299株であれば2000円分の商品券をもらうことができるという制度にしている企業は多くあります。

こうしたことから、株主優待の制度を設けている企業の株を何株購入すれば株主優待を受けられるのか、またその保有株式に応じて株主優待の内容がどのように変わるのかについてしっかりと確認しておくことが必要です。

もう一つの条件は、保有期間です。企業が株主優待の制度を設ける理由は安定株主の獲得です。

そのため、1年以上株を保有し続けている株主にのみ株主優待を提供するといったように、株主優待を受け取るために保有期間を条件として設定している企業があることに注意が必要です。

■ステップ3:権利付き最終日までに株を購入する

株主優待がもらえる条件をチェックすれば、あとは株を購入するだけです。

しかし、その株を購入する際にも注意しておくべきことが2つあります。

1つは権利付き最終日までに株を購入するということです。

企業は3月31日に株主として登録されている投資家に株主優待を配る、というようにどこかの日にちを決めて株主優待を配布する投資家を確定させています。

この株主優待や配当などの株主としての権利を得ることが決まる日にちを「権利確定日」と言います。

しかし、ややこしいのが「権利確定日」に株を購入しても、株主優待をもらうことができないということです。

なぜなら、株を購入してから、実際に株の受け渡しをしたり、企業に株主として登録されたりするまでに時間がかかってしまうからです。

この株を購入してから株を購入した企業に株主として登録されるまでに2営業日かかります。

つまり、「権利確定日」の3営業日の取引終了時点までに株の購入をしておかなければ株主優待を受け取ることはできないのです。

そしてこの「権利確定日」の3営業日前の日のことを「権利付き最終日」と言います。

例えば、2016年3月31日に権利確定日を迎える企業の株主優待を獲得したいと考えているとしましょう。

この場合、2016年3月31日は木曜日ですので、権利付き最終日はその3営業日前の月曜日となります。

つまり、月曜日の証券市場が閉まる15時までにその企業の株を購入しておく必要があるのです。

また、営業日ですので休日・祝日がある場合にも注意する必要があります。

□権利付き最終日の確認方法

権利付き最終日を確認する方法は大きく分けて2種類あります。

一つは、証券会社や企業のHPで確認するという方法です。

ただし、これらのHPでは権利付き最終日自体は記載されておらず、権利確定日のみが記載されている場合がほとんどなので、自分で権利確定日から権利付き最終日を逆算する必要があります。

もう一つの方法は、個人が運営している投資サイトの情報を利用するという方法です。

投資サイトの中には権利確定日や権利付き最終日をまとめてくれているサイトもあります。こうしたサイトを利用して、権利付き最終日をチェックすることも検討してもよいでしょう。

そしてもう1つは、現物株を買わないと株主優待はもらえないということです。

信用取引とは証券会社からお金を借りることで、レバレッジを利かせて運用資金よりも最大3倍までの資金量で取引を行うことができる制度です。

ただこの信用取引を使って株を購入しても、株主優待を手に入れることはできません。

あくまで現物株を買って受け渡しが完了した場合のみ株主優待の権利が発生しますので注意しましょう。

■ステップ4:あとは現物株を購入して待つだけ

これまで説明してきたように、株主優待を受けるには権利付き最終日を確認し、あとはその権利付き最終日までに現物株を購入するだけです。

そうすれば、株主総会で配当金や株主優待の内容が正式に決定し、権利付き最終日からおよそ2~3か月ほどで株主優待が自宅まで届けられます。

さあ、めくるめく株主優待の世界を楽しみましょう。

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