専業トレーダー

専業トレーダーとは株式投資や外国為替保証金取引(FX)で生計をたてている投資家のことをいいます。

専業トレーダーはトレード以外に職業をもちませんから、収入源はトレードのみとなり、国民健康保険や国民年金、税金などを自分で納める必要があります。

反対に職業のかたわらトレードを行っている投資家のことを兼業トレーダーといいます。

兼業トレーダーは就職していることによって福利厚生が充実していますし、収入面も安定しています。

そのためトレーダーの大半は兼業トレーダーが占めることになります。

しかしながら専業トレーダーに憧れる投資家がたくさんいるのも事実です。

【専業トレーダーのメリットとは】

専業トレーダーになることによって得られるメリットを挙げてみました。

1.通勤の必要がない。

2.勤務時間が自由である。

3.相場をじっくりと眺めていられる。

4.トレードしない日は相場の勉強に時間を充てられる。

まず「1.通勤の必要がない。」ですが、ご存じのとおりトレードはパソコンやスマートフォンを使ってネット上で行うことが主流となっています。

ネット証券が普及した今日ではだれでも手軽にトレードをすることができ、場所を選びません。

続いて「2.勤務時間が自由である。」は好きな時間にトレードをすることができるという意味です。

日本の株式市場は平日の9:00~15:00までトレードをすることができます。

午前中だけトレードをする投資家がいれば、午後だけトレードをする投資家もいます。

また海外の株式市場や外国為替保証金取引(FX)は日本時間の夜にもトレードをすることができます。

そのためトレードができなくて困るというような状態には陥りません。

「3.相場をじっくりと眺めていられる。」というのは、好きなだけ相場を観察し、売買タイミングを計ることができるという意味です。

これは日中勤務している兼業トレーダーには難しいことであり、専業トレーダーの特権ともいえるでしょう。

最後に「4.トレードしない日は相場の勉強に時間を充てられる。」ですが、相場が悪くトレードしても良い結果を得られそうにないときは、勉強時間に充てることもできます。

このように専業トレーダーは兼業トレーダーと比べて時間の優位性があるので、そこをうまく活用していきたいところです。

【専業トレーダーのデメリットとは】

次に専業トレーダーになることによって発生するデメリットを挙げてみました。

1.健康への負担が大きい。

2.精神的な負担が大きい。

3.社会的な地位がない。

まず「1.健康への負担が大きい。」ですが、専業トレーダーはパソコンのモニターを見ていることが多いので眼の酷使につながります。

スマートフォンが普及したことで急増している”ドライアイ”にかかりやすいです。

またトレードをしていない時間は相場の勉強に充てるため、慢性的な運動不足に陥りやすくなります。

さらに昼食時は情報収集と戦略の練り直しを行うため、食事も簡素に済ませがちです。

続いて「2.精神的な負担が大きい。」というのは、専業トレーダーは自宅で1人で黙々とトレードを行うため、孤独感があります。

また収入源がトレードのみであるため、”負けられない”というプレッシャーが襲いかかります。

最後に「3.社会的な地位がない。」ですが、専業トレーダーは正式な職業ではないため、無職扱いとなります。

世間の目が厳しく感じるかもしれません。

またデイトレードなどの短期売買は”投資”ではなく”投機”であるとの見方があるため、同じ投資家であっても《長期投資家》からは敬遠されがちです。

専業トレーダーになることは一見簡単そうにみえるかもしれませんが、上記のように様々な苦労があるのです。

【専業トレーダーの1日】

ここで専業トレーダーの1日の動きを追ってみましょう。

専業トレーダーの1日550×388

上図は一例です。

7時に起床していますがこれはトレーダーによって異なります。

朝食を済ませたあと、ニュースの確認と戦略の検討に入ります。

これは主に日本時間の夜間に取引されている海外の株式市場や為替市場の動向を踏まえて今日1日の戦略を練ることになります。

そして9時になるといよいよ取引開始です。

銘柄にもよりますが10時頃まで売買は活発であり、値動きも激しくなります。

専業トレーダーの多くはこの時間帯に的をしぼってチャンスを狙って行きます。

なぜならデイトレードなどの短期売買は値動きがないと稼げないからです。

値動きが小さいと売買のタイミングがつかみづらいですし、手数料も割高となってしまいます。

ゆえにこの時間帯が1日の中で1番の勝負所となるのです。

10時を過ぎた辺りから売買が穏やかになり、値動きも緩やかになっていきます。

ここで早めに取引を切り上げてしまうトレーダーもいます。

11時30分に前場が終了し、昼食休憩となります。

休憩中に前場の取引の反省をし、後場の戦略を練ります。

そして12時30分に後場が始まります。

後場は13時30分頃まで売買が活発であるため、ここも専業トレーダーの狙い目となります。

前場で稼ぎ損なったトレーダーが集結していきます。

また15時の大引け直前も取引が活発になります。

ポジションを手仕舞うトレーダー、オーバーナイトを狙うトレーダー、それぞれの思惑がぶつかり合います。

そして15時を迎えるとその日の株式市場は終了となります。

市場の終了後は個々のトレーダーによって行動が変わってきます。

スポーツや趣味に興じたり、株の勉強会に行く人もいます。

そして1日の最後となる就寝前には明日の戦略を考えます。

専業トレーダーの1日をのぞいてみていかがでしたか。

専業トレーダーは1日の大半がトレードまたは勉強時間に費やしていることがわかります。

【専業トレーダーのまとめ】

専業トレーダーになるのは簡単なことではありません。

もし専業トレーダーになるのであれば、体力・精神ともにタフでなければなりません。

またトレードを始めるにあたって多くの資金が必要となります。

始めてみたはいいものの、財産を失って退場したトレーダーは数知れません。

もし専業トレーダーを考えているのであれば、専業トレーダーで成功した人と失敗した人の両方を調べたうえで検討したいものです。

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